sakutaroの「耳打ち 備忘録」

気になったこと、そのまま。そっと友人に知らせるように。

先月8日(2018/6/8)に最終回配信。遅ればせながら見始めた『センス8』。


映画『マトリックス』シリーズ、『クラウドアトラス』などで知られるウォシャウスキー姉妹の最新作『センス8』をNetflixで観ている。
いわゆるSF映画だが、設定は現代社会であり、エイリアンやアンドロイド、AIが敵となるわけではない。いわばサイコ系SFといったところか。

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感覚と思考、そして能力を共有できるようになった、世界各地に住む、職業や文化など属性の異なる8人の青年達が、謎の組織に追われるというストーリー。『クラウドアトラス』は三島由紀夫の豊穣の海を土台にした時空を越えた物語、このドラマは同じ時間に生きる人々の人生が交錯していく物語。共時性や潜在意識をテーマに自分の存在を実感する作品ともいえるだろう。

出演者で自分が知っているのは『空気人形』や『クラウドアトラス』で知られる韓国の女優ペ・ドゥナと『LOST』のサイード役を務めたナヴィーン・アンドリュース、ご存じ『ブレードランナー』のプリュスことダリル・ハンナくらい。役者の存在感や重い表現力ではなく、走馬灯のようにシーンが切り替わっていくスリリングな展開が観るものをじわじわとカタルシスに導いていく。

トランスジェンダーの関係性セックスシーンが頻繁に盛り込まれ、ウォシャウスキー兄弟から姉弟、姉妹へと転身していった自身の存在が投影され、不本意な状況からの解放が大きなテーマになっている。

トランスジェンダーに加えて差別、貧困などのテーマも扱われ、あらゆるプレッシャーと向き合っている人々えのアンセムとなっていて清々しい。そうしたメッセージを届けたいからではなく、映画を作りたいから作っているのだと思うが、モチベーションとしては統合性がとれていて、感動的だ。

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シリーズはどういう理由か2までで打ち切りとなり、視聴者のラブコールにより最終回の配信が先月の8日に配信。その内容が非常に評価が高いというので楽しみだ。

こうした壮大なドラマが固定の契約で延々と観られるのは素晴らしいことだが、一気に観ることが多く、ストーリーを追う気持ちに急かされてディテールを味わいずらいのが難点。また、それは人生のどこかのタイミングで何度もみよう、と考えるわけだが、こうした作品が延々と生み出されていくと人生がいくつあっても足りなくなる。